タンス預金はなぜ税務署にバレるのか
タンス預金とは、銀行口座から引き出して手元に保管している現金のことを言います。
この手元現金を相続時に相続財産に計上しないと問題になります。
高齢者の方の多くが銀行預金を多く保有しており、相続の現場でも非常によくタンス預金についてご相談いただきますので、解説します。
このページの内容はYouTubeでも解説していますので、まずは動画を見てざっと理解していただいてから読んでいただくとより理解が深まると思います。
タンス預金と相続税申告
具体的なケースでタンス預金と相続税申告について解説します。
財産の状況等
元々1.2億円の預金がありましたが、10年間かけて、少しずつ預金から引き出しを行い、相続発生時に以下の財産となっており、タンス預金0.8億円は相続財産に計上せずに相続税申告を行ったとしましょう。
相続時の財産
・預金:4,000万円・タンス預金:8,000万円
・10年かけて8,000万円をタンス預金へ
・預金4,000万円を相続財産として相続税をゼロで申告
税務調査で指摘され、追徴課税となる場合
タンス預金8,000万円を相続財産に計上せず申告し、税務調査が入って指摘されてしまった。
相続税 | 重加算税 | 合計 | |
---|---|---|---|
適正申告の場合 | 580万円 | ー | 580万円 |
違反申告の場合 | 1,160万円 | 464万円 | 1,624万円 |
差額 | 580万円 | 464万円 | 1,044万円 |
・悪意があるものとして重加算税40%を支払うことに
・仮想隠蔽を行ったものとして配偶者控除は適用できず
結果として、1,000万円以上も多くの納税を行うことになってしまいました。
KSKシステム(国税総合管理システム)による税務署のデータ管理
税務署は、KSKシステム(国税総合管理システム)によって、支払い調書が出ているお金の流れをすべて管理しています。したがって、システムに蓄積されたデータの内容と、相続税申告の内容に乖離がある場合、税務調査の対象になってしまいます。
このKSKシステム(国税総合管理システム)を使えるのは税務署だけで、一般の方や税理士は利用することができません。
税理士に色々話してしまうとまずいかな、と思って情報を隠そうとされる方がいらっしゃいますが、税理士は納税者のリスクを減らし、守る立場にあります。そのため、情報を隠してしまうと、税務署は知っているけど税理士は知らないということになり、結果として納税者の方がリスクを被ることになってしまいます。
預金を合法的に節税するには?
預金は相続税対策をしやすい財産です。例えば、以下のような節税対策を行うことができます。
・死亡保険金1,000万円に加入
⇒1,000万円が非課税でゼロに
・暦年贈与100万円×7年間×2人
⇒1,400万円がゼロに
・自宅を8,000万円で購入
⇒圧縮効果と小規模宅地の特例で2,500万円に
以上で財産を4,000万円にし、相続税がゼロに。
預金の相続税を節税したい方へ
財産総額、ご年齢等、お客様の状況に合わせて最適な相続税のお手伝いをいたします。
相続税申告の初回面談は無料となっていますので、お気軽にお問い合わせください。